引退したはずの“おしゃべりヒーロー”が、故郷の世界を救うために組んだ相手は、別世界の“最悪のウルヴァリン”でした。
マーベル作品は数が多く、「設定が複雑そうで手を出しにくい」とお悩みになっている方も多いのではないでしょうか?
『デッドプール&ウルヴァリン』は『デッドプール』シリーズの3作目で、日本公開は2024年7月24日です。世界興行収入は約13億3,000万ドルに達し、『ジョーカー』(2019)を抜いてR指定映画の歴代1位になりました。
実は、過去作を観ていなくても「落ちこぼれ2人が故郷を守る」という一本筋さえ押さえれば、十分に楽しめるのです。
そこで、今回はあらすじ・登場人物・結末・見どころ・考察・向いている人を取り上げました。
ぜひ、今夜観るかどうかの判断材料にしてください。
「デッドプール&ウルヴァリン」はどんな話?あらすじを簡単に3行で
- アベンジャーズ入りに失敗してヒーローを引退したウェイド(デッドプール)は、自分の世界「アース10005」がいずれ消滅すると告げられます。
- 原因は、その世界の支え「アンカー」だったウルヴァリンの死。ウェイドは別世界から“最悪のウルヴァリン”を連れ出します。
- 反発し合う2人は、追放された者が集まる「虚無」に落とされ、全世界を消そうとする強敵カサンドラ・ノヴァと対峙することになります。
「デッドプール&ウルヴァリン」の登場人物とキャスト一覧
物語を理解するうえで押さえておきたい主要人物は、次のとおりです。
| 登場人物 | キャスト | 物語での役割 |
|---|---|---|
| ウェイド/デッドプール | ライアン・レイノルズ | 主人公。不死身でお喋りな元傭兵 |
| ローガン/ウルヴァリン | ヒュー・ジャックマン | 別世界から連れてこられた相棒 |
| カサンドラ・ノヴァ | エマ・コリン | チャールズ・エグゼビアの双子の妹。虚無の支配者 |
| ミスター・パラドクス | マシュー・マクファディン | アース10005を担当するTVA職員 |
| ヴァネッサ | モリーナ・バッカリン | ウェイドの元恋人 |
| ピーター | ロブ・ディレイニー | ウェイドの親友 |
| 虚無で出会う仲間 | ダフネ・キーン(X-23)、ウェズリー・スナイプス(ブレイド)、ジェニファー・ガーナー(エレクトラ)、チャニング・テイタム(ガンビット) | 忘れられたヒーローたち。2人と共闘する |
ブレイドは『ブレイド』三部作(1998〜2004)、エレクトラは『エレクトラ』(2005)以来の再演です。X-23役のダフネ・キーンも、『LOGAN/ローガン』(2017)から約7年ぶりに同じ役を演じています。
「デッドプール&ウルヴァリン」の物語を詳しく解説|TVA・虚無・カサンドラ・ノヴァ
※ここから終盤直前までの展開に触れます。結末は次の見出しで扱います。
物語は「引退→任務→追放→共闘→決戦」の順に進みます。
序盤:アベンジャーズ不合格とヒーロー引退
2018年、ウェイドはハッピー・ホーガンの面接を受け、アベンジャーズ入りを志願しますが、不合格に終わります。
6年後、彼はデッドプールをやめ、中古車販売員として働いていました。元恋人ヴァネッサとも別れたままです。
TVAが告げた「アース10005の消滅」
誕生日の夜、ウェイドは時間を管理する組織TVAに連行されます。
職員のミスター・パラドクスは、アンカーだったウルヴァリンの死によってこの世界はいずれ消えると説明。しかも装置「タイムリッパー」で、消滅を早めようとしていました。
マルチバースを渡り歩くウルヴァリン探し
ウェイドは「別世界のウルヴァリンを連れてくれば代わりになる」と考え、さまざまな世界を渡り歩きます。
ヘンリー・カヴィル演じるウルヴァリンなど、姿の違う変異体が次々と登場する、シリーズファンには嬉しい場面です。

中盤:虚無とカサンドラ・ノヴァ
ウェイドが選んだのは、黄色いスーツを着た「世界を失望させた男」と呼ばれるウルヴァリンでした。2人はパラドクスによって「虚無」へ送られます。
虚無はTVAが不要と判断したものの捨て場です。支配者カサンドラの手下には、パイロなど過去の『X-MEN』シリーズのヴィランが並びます。
忘れられたヒーローたちとの共闘
逃げ延びた2人は、ブレイド、エレクトラ、ガンビット、成長したX-23ら、虚無で生き延びてきたヒーローたちと合流します。
虚無での道中、ローガンは自分の世界で仲間のX-MENを守れなかった過去を打ち明けます。彼が「最悪」と呼ばれる理由が明かされる場面です。
終盤直前:パイロの裏切りとTVAへの帰還
一行はカサンドラに挑みますが、TVAと通じていたパイロの裏切りもあり、戦いは混乱します。
2人はカサンドラの力でTVAへ戻りますが、彼女もタイムリッパーの存在を知り、全世界の消滅を目論んで後を追います。
「デッドプール&ウルヴァリン」の結末は?※ネタバレ
※ここからはラストの展開に触れます。未見の方はご注意ください。
結末では、2人が命がけでタイムリッパーを止め、ローガンがウェイドの世界に残ることでアース10005は救われます。 ネタバレの要点は、ラストの決断とその後の2人です。
自己犠牲の決断と、手をつなぐ2人
装置を止めるには動力源をぶつけるしかなく、不死身の2人でも助からない衝撃が予想されます。
ローガンが一人で向かおうとし、ウェイドが入れ替わります。最後は駆けつけたローガンと手をつなぎ、装置を破壊。カサンドラも消え去ります。
生還とアース10005のその後
2人は生還し、TVAのB-15によってパラドクスの暴走は止められます。
ラストは、ウェイドの仲間たちとローガンが集まるにぎやかなパーティー。ヴァネッサとも穏やかに言葉を交わし、物語は幕を閉じます。
エンドクレジットとポストクレジット
エンドクレジットでは、旧20世紀フォックス製作のマーベル映画のメイキング映像が流れます。
その後のおまけ映像は次回作の予告ではなく、クリス・エヴァンス演じるジョニー・ストーム絡みのギャグです。

「デッドプール&ウルヴァリン」の見どころを3つ紹介
本作の魅力は、笑い、懐かしさ、意外な人間ドラマの3つに集約できます。
見どころ1:正反対のバディが生む掛け合い
お喋りで軽薄なウェイドと、寡黙で不器用なローガン。車内で大喧嘩するなど、噛み合わない2人のやり取りが笑いの中心です。
レイノルズとジャックマンは長年“いじり合う仲”として知られ、その関係性が画面にも生きています。
見どころ2:旧作ヒーローとデッドプール軍団
『ファンタスティック・フォー』(2005・2007)のジョニー・ストームなど、旧作のヒーローが同じ俳優で戻ってきます。単独映画が実現しなかったガンビットをチャニング・テイタムが演じるのも大きなサプライズです。
さらに、犬のドッグプール、レディ・デッドプール、レイノルズ自身が演じるナイスプールなど、デッドプール軍団の濃さも見逃せません。
見どころ3:「落ちこぼれ」が自分を取り戻す物語
ギャグの裏側には、大切なものを守れなかった男たちの再起が描かれています。
ウェイドは「何者かになりたい」、ローガンは「過去の失敗から逃げている」。それぞれの悩みが、終盤の決断にしっかりつながっていきます。
「デッドプール&ウルヴァリン」はどんな人におすすめ?響く人・合わない人
響く人
- 頭を空っぽにして笑えるアクション映画を観たい人
- 『X-MEN』シリーズや『LOGAN/ローガン』に思い入れがある人
- ギャグの中にちょっと泣ける要素がほしい人
小ネタが分からなくても、勢いのあるテンポで最後まで走り切れる作品です。
合わない可能性がある人
日本ではR15+指定で、血しぶきの出る戦闘や下品なジョークが頻繁に登場します。こうした描写が苦手な人には刺激が強いでしょう。
また、内輪ネタや他社いじりが多く、元ネタを知らないと置いていかれる場面もあります。
評価・世間の反応
米Rotten Tomatoesでは批評家スコア78%に対し、観客スコアは95%と、観客の支持が際立つ作品です(数値は変動するため最新は同サイトでご確認ください)。
一方で「ファン向けの小ネタに頼りすぎ」という批判もあり、笑いと懐かしさを楽しめるかが評価の分かれ目と言えます。
「デッドプール&ウルヴァリン」の基本情報
- 公開:2024年(日本公開は2024年7月24日)
- シリーズ:『デッドプール』(2016)、『デッドプール2』(2018)に続く3作目
- 監督:ショーン・レヴィ
- 主なキャスト:ライアン・レイノルズ、ヒュー・ジャックマン、エマ・コリン、マシュー・マクファディン
- 上映時間:128分
- ジャンル:アクション・コメディ
- 原作:マーベル・コミック
- 映倫区分:R15+
- 興行収入:世界で約13億3,000万ドル(R指定映画の歴代1位)
- 配信:ディズニープラスで配信(最新の配信状況は公式でご確認ください)
国内の最終興行収入は、配給からのまとまった発表を確認できていません。
虚無やラストの手つなぎにはどんな意味がある?考察
筆者の結論は、本作が「旧フォックス版マーベル映画の総決算」だということです。 フォックス版X-MENを追い続けてきた映画コンシェルジュとして、各要素はこの一点に束ねられると考えます。
虚無は旧フォックス時代への「お別れ会」
2019年、ディズニーは20世紀フォックスの買収を完了し、フォックス製作のマーベル映画の多くは続きを描けないまま終わりました。
虚無に転がるフォックスのロゴの残骸と、行き場のないヒーローたち。この設定は、買収の歴史への皮肉と愛情を込めたメタファーに見えます。
エンドクレジットのメイキング映像は、そのお別れ会の締めくくりだと受け取りました。
『LOGAN』の結末を壊さなかった変異体の使い方
本作のローガンは、あくまで「別世界のローガン」です。『LOGAN/ローガン』で描かれた死はそのまま残っています。
完結した名作の余韻を上書きせず、ジャックマンを復帰させる理屈として、変異体の設定が上手く使われていると考えます。
手をつなぐラストと「アンカー」の解釈
最も胸に残ったのは、恥を抱えた2人が手をつないで装置を壊す場面です。ショウゴリラも思わず「ウホッ」と声が出かけました。
なお、ラスト後に誰がアース10005のアンカーなのかは、明確に言い切られていないと筆者は受け取っています。ローガンが残ったことで世界が支えられたとも、ウェイド自身が支えになったとも読める余地が残されています。
メタ笑いは「第四の壁」から「業界」へ
前2作は、観客に話しかける“第四の壁”越えの笑いが中心でした。
本作ではその矛先がディズニーやフォックス、MCUそのものへ広がっています。総決算だからこそ、作品の外側まで笑いに変えられたのだと感じました。
MCUの路線を立て直した一本、そして今後
直前のMCU映画『マーベルズ』(2023)は世界興収約2億ドルにとどまり、マーベル映画で歴代最低水準でした。本作はその約6倍を稼ぎ、勢いを取り戻した一本と考えます。
ここからは私見ですが、ローガンが生き残ったことで、今後のMCU作品へ合流できる余地は十分にあります。ただし公式発表を確認するまでは、あくまで期待の段階です。
まとめ|「デッドプール&ウルヴァリン」のあらすじを簡単に振り返る
「デッドプール&ウルヴァリン」は、ヒーローを引退したウェイドが、別世界の“最悪のウルヴァリン”と組んで故郷アース10005の消滅を防ぐ、シリーズ3作目の物語です。
虚無での旧作ヒーローとの共闘を経て、2人は互いの居場所を取り戻します。
過激なギャグが平気な人、そして『X-MEN』シリーズに思い出がある人には、笑って少し泣ける一本です。
「デッドプール&ウルヴァリン」のよくある質問
「デッドプール3」とは同じ作品ですか?
同じ作品です。シリーズ3作目のため、公開前は「デッドプール3」と呼ばれ、「デッドプールアンドウルヴァリン」と検索されることもあります。
前作や他のマーベル作品を観ていなくても楽しめますか?
楽しめます。ただし『デッドプール』2作と『LOGAN/ローガン』を観ておくと、キャラクターの背景がより深く伝わります。
ドラマ『ロキ』を観ておく必要はありますか?
必須ではありません。TVAの仕組みは劇中で説明されます。予習するなら『ロキ』シーズン1が分かりやすいでしょう。
『LOGAN/ローガン』で死んだウルヴァリンが生き返ったのですか?
いいえ、本作のウルヴァリンは別世界から連れてきた別人です。
子どもと一緒に観られますか?
日本ではR15+指定のため、15歳未満は鑑賞できません。