「あの壮大な景色を、自分の目で見てみたい!」――実写映画『キングダム』を観て、ロケ地巡りに興味を持った方も多いのではないでしょうか?
シリーズでは、群馬県渋川市の「佛光山 法水寺」、栃木県宇都宮市の「若竹の杜 若山農場」、さらに中国・浙江省の「象山影視城」などが撮影地として知られています。
ただし、気になるのは「実際に行ける場所はどこなのか」という点です。実は、5作あるシリーズのうち、具体的なロケ地が判明しているのは第1作と第2作が中心。第2作では長野県内、最新作では山口県内で撮影されたとも伝えられていますが、すべての場所が巡礼できるわけではありません。
そこで今回は、実写映画『キングダム』シリーズのロケ地を「行ける場所」「行けない場所」に分けて徹底整理しました。
群馬・栃木を効率よく回る1泊2日のモデルコースも紹介するので、キングダムの世界を体感したい方は、ぜひロケ地巡りの参考にしてください。
映画『キングダム』のロケ地はどこ?主要な撮影場所一覧
実写シリーズの主なロケ地は、群馬・栃木・長野の国内3エリアと、中国・浙江省の大型撮影所です。最新作では山口県も加わりました。
| ロケ地 | 場所 | 位置づけ・主なシーン |
|---|---|---|
| 佛光山 法水寺 | 群馬県渋川市伊香保町 | 宮殿・門前の石階段 |
| 若竹の杜 若山農場 | 栃木県宇都宮市 | 竹林での戦闘 |
| 象山影視城 | 中国・浙江省寧波市 | 函谷関・咸陽宮などの大規模シーン |
| 長野県内(東御市・富士見町) | 長野県 | 第2作の屋外シーン/施設の詳細は非公表 |
| 山口県内 | 山口市・美祢市ほか | 第5作のロケ地/具体的な撮影地は非公表 |
※シーンとの対応は、公表・報道されている範囲をもとにした整理です。
こうして並べると、「中国の宮殿らしさ」を担う国内の場所と、スケールを担う中国の撮影所とで、役割がはっきり分かれているのが分かります。
『キングダム』シリーズ各作のロケ地はどこまで公表されている?
5作中、ロケ地が具体的に判明しているのは第1作と第2作の2作のみです。
- 第1作『キングダム』(2019年):象山影視城、法水寺、若山農場が使われたと広く伝えられています
- 第2作『遥かなる大地へ』(2022年):長野県東御市・富士見町など県内での屋外ロケが伝えられています
- 第3作『運命の炎』(2023年):主要ロケ地の詳細は公式に確認できていません
- 第4作『大将軍の帰還』(2024年):同様に、撮影地の公表情報は確認できていません
- 第5作『魂の決戦』(2026年):山口県内でのロケが伝えられていますが、地点は非公表です
長野県のロケ地(第2作)はどこ?東御市・富士見町の扱い
第2作では長野県東御市・富士見町など県内での屋外ロケが伝えられていますが、施設名や地点は公表されていません。
第1作が寺院や竹林という「建物・植生」を借りたのに対し、第2作は平原での戦いが軸となるため、開けた高原地形が必要になったと考えられます。訪問先を特定できないため、巡礼の中心はやはり群馬・栃木の2か所になります。
第3作・第4作のロケ地が分からないのはなぜ?
公式サイト、各自治体のフィルムコミッション発表、公開時の報道の範囲では、第3作・第4作の具体的な撮影地を確認できませんでした。
この2作は前作までと同じ「合従軍前夜」の連続する物語で、大部分がスタジオセットとVFXで組まれたと考えられます。第1作・第2作のセットやロケ地を引き継いだ可能性もありますが、公表がない以上、巡礼先としては数えないのが安全です。
群馬の『キングダム』ロケ地・法水寺はどのシーンで使われた?
法水寺は、宮殿エリアや門前の石階段シーンに使われた、国内で最もよく知られたロケ地です。現役の寺院として、今も自由に参拝できます。
なぜ日本の寺院で「秦の宮殿」が成立したのか
台湾に本山を持つ仏教寺院で、反り上がった屋根や朱の彩色といった中国建築の要素がそろっているためです。
加えて、境内へ続く長い石階段が高低差を生み、人物を下から見上げる構図をつくりやすい構造になっています。劇中の宮殿シーンは見上げのカットが多いため、石段の下に立って山門を見上げると、映画の画にぐっと近い印象になります。
法水寺のアクセス・拝観料・所要時間
住所は群馬県渋川市伊香保町伊香保637-43。渋川駅からバスで約20分です。
拝観料は不要で、参拝可能な時間はおおむね9:00〜17:00。無料の駐車場が整備されていますが、拝観時間・駐車場の扱いは変更される場合があるため、最新情報は公式サイトでご確認ください。境内を一通り回るなら60〜90分ほどが目安です。
訪問時に守りたいマナー
法水寺は観光施設ではなく、参拝者が訪れる宗教施設です。
境内での大声や駆け足は控え、読経中の撮影も避けてください。純白の釈迦牟尼仏座像が見守る空間は、静かに歩いてこそ迫力が伝わります。
栃木の『キングダム』竹林ロケ地「若竹の杜 若山農場」はどんな場所?
序盤の吹き矢の戦いに登場する竹林は、栃木県宇都宮市の「若竹の杜 若山農場」です。国内最大級の竹林として知られています。
なぜこの竹林が何度も選ばれるのか
映像作品の撮影地として繰り返し使われてきた、いわば「定番の竹林」だからです。
約24haの敷地に孟宗竹が密に立ち並び、人工物が視界に入りにくい区画がまとまって確保できます。ロケ受け入れの実績があることは、制作側にとって段取りの読みやすさにも直結します。
竹林シーンが映えるのはどの時間帯?
光が斜めに差し込む午前中です。
竹の隙間から光の筋が生まれ、青緑の空間に濃淡ができるため、劇中の幽玄な空気にもっとも近づきます。真昼の順光では竹の色が均一に飛びやすく、映画で見た「重さ」が出にくいのが正直なところです。
若山農場のアクセス・入場料・営業時間
JR宇都宮駅からバスまたはタクシーで約30分。入場料は大人500円前後、営業時間はおおむね9:00〜16:00です。
農場のため、季節や作業状況で公開エリア・休業日が変わります。料金と開園日は変動するため、訪問前に公式サイトやSNSで必ず確認してください。竹林エリアだけなら30〜60分、農場全体なら2〜3時間が目安です。
『キングダム』の中国ロケ地・象山影視城はなぜ選ばれた?
クライマックスの函谷関や咸陽宮といった大規模シーンを撮れる規模が、国内では確保できなかったためです。
国内では代替できなかった「セットの広さ」
象山影視城は中国・浙江省寧波市にある時代劇専用のオープンセットで、城門や宮殿が実寸に近いスケールで建てられています。
日本国内のオープンセットは日本の城郭や町並みを前提に作られているため、中国の巨大城門を要する画は成立しません。規模の大きな撮影が行われたとされ、この「広さ」が決め手だったと考えられます。
中国時代劇の定番セットという背景
同施設は『神雕侠侶』をはじめとする中国の武侠・歴史ドラマで数多く使われてきた撮影拠点です。
つまり制作側は、ゼロからセットを建てるのではなく、既に運用実績のある場所を借りる選択をしたわけです。この判断が、限られた予算の中でスケール感を確保する近道になったと筆者は見ています。
象山影視城の入園料・営業時間・行き方
テーマパーク型の観光地として運営されており、入園料はエリアにより約120〜180元、営業時間はおおむね8:30〜17:00です。
寧波市内からバスやタクシーで約2時間。上海から高鉄とバスを乗り継ぐ日帰りも不可能ではありませんが、片道が長く強行日程になるため、1泊しての訪問をおすすめします。料金・開園状況は変わるため、渡航前に公式サイトで確認を。
最新作『キングダム 魂の決戦』の山口ロケ地はどこ?
2026年7月17日公開のシリーズ第5作では、山口県内でロケが行われたと伝えられていますが、具体的な撮影地点は公表されていません。
撮影地には立入禁止区域が含まれるとされ、一般の見学はできない前提で考えるのが安全です。
原作屈指の人気エピソード「合従軍編」を描く本作は、秦と六国が激突するシリーズ最大規模の戦いが見どころ。県内の広大な自然が、その舞台の一部を担ったと考えられます。
山口県で立ち寄れる『キングダム』ロケ地周辺スポット3選
※以下の3か所はいずれも公表された撮影地ではなく、ロケが行われたとされる県内エリアで立ち寄れる場所です。
山口きらら博記念公園(山口市)
合従軍編の大軍勢がぶつかる画を想像しやすい、開けた地形が広がります。
2001年の山口きらら博跡地にオープンした自然共生型の運動公園で、国内最大級の大芝生広場が特徴。野外音楽フェスの会場としても使われ、大型複合遊具広場やフラワーガーデンも整備されています。
きらら浜自然観察公園(山口市/新光産業きらら浜自然観察公園)
阿知須干拓地に整備された自然観察スポットで、ネーミングライツにより「新光産業きらら浜自然観察公園」の名称でも案内されています。
干潟やヨシ原が広がり、野鳥や昆虫、水生生物を観察できます。ビジターセンターでは望遠鏡や双眼鏡の貸し出しがあり、風の抜ける水辺の景観は、行軍の合間のような静けさを感じさせます。
秋吉台(美祢市)
日本最大級のカルスト台地で、白い石灰岩が点在する草原はまるで羊の群れのような光景です。
遮るもののない起伏の連なりは、大軍が対峙する戦場の画にもっとも近い風景と言えます。歩くだけで距離感が狂うほど広く、スケールを体感する場所として価値があります。
『キングダム』ロケ地巡礼のモデルコース(群馬・栃木1泊2日)
確定ロケ地である法水寺と若山農場は、1泊2日で効率よく回れます。
- 1日目:東京から新幹線で高崎へ。バスまたはタクシーで伊香保方面へ移動し、法水寺を訪問(2〜3時間)。伊香保温泉に宿泊
- 2日目:栃木方面へ移動し、若山農場の竹林を散策。宇都宮から新幹線で帰路へ
ベストシーズンは両施設とも4〜11月で、冬季は法水寺で積雪の可能性があります。長野のロケ地を加えるなら2泊3日が快適です。
いずれの施設も改修やイベントで一時閉鎖になることがあるため、最新情報は各公式サイトやSNSで確認してから出発してください。
筆者の考察:なぜ『キングダム』は実ロケにこだわり続けるのか
ここからは筆者の私見です。
実ロケが「訪ねられる聖地」を生んでいる
佐藤信介監督は公開時の各種インタビューで、実際の空間で俳優を動かす撮影の手応えを繰り返し語っており、その姿勢が画づくりの軸になっていると読み取れます。
結果として、スクリーンに映る景観の多くが実在の場所として残り、観客が後から訪ねられる資産になりました。CGで作られた戦場には、観光としての行き先がありません。ここがシリーズの隠れた強みだと考えています。
『るろうに剣心』との比較で見える選択の違い
同じ大作実写化でも、『るろうに剣心』シリーズは京都の寺社や町並みなど「日本の時代劇の定番地」を軸に据えました。
対して『キングダム』は、国内で中国建築らしさを借りつつ、足りない規模は中国の撮影所で補うという二段構えを取っています。国内だけで完結させなかったこの判断が、シリーズの画の説得力を支えていると筆者は見ています。
なぜ今、山口県なのか
近年は地方自治体のフィルムコミッションによる大作誘致が活発で、広い未開発地を持つ県ほど大規模ロケの受け皿になりやすい傾向があります。
山口県も県・市のフィルムコミッションが撮影支援を行っており、カルスト台地や干拓地といった「日本離れした地形」が県内にそろっています。合従軍編の大軍勢を撮る条件と噛み合ったのではないか、というのが筆者の見立てです。
6作目以降、巡礼先はさらに広がる可能性
合従軍編は屋外の大規模戦が続くため、今後も広い地形を持つ地方が新たに選ばれる可能性が高いと見ています。
つまり読者にとっては、巡礼の対象がこれから増えていくということ。今のうちに群馬・栃木の定番を押さえておくと、新作公開のたびに巡礼先を足していく楽しみ方ができます。
訪問者として忘れたくないこと
山口の撮影地は立入禁止区域を含み、法水寺は現役の宗教施設、若山農場は営業中の農場です。
「映画の場所」である前に、誰かの信仰や生活の場である。ここを忘れない訪問者でありたいと、個人的には強く思います。なお『魂の決戦』の撮影地点は公式発表を確認できておらず、既存ロケ地の再活用も含めて現時点では推測の域を出ません。
まとめ:『キングダム』ロケ地は群馬・栃木なら実際に訪ねられる
実写『キングダム』の確定ロケ地は、群馬の法水寺、栃木の若山農場、中国・浙江省の象山影視城です。第2作の長野、第5作の山口は、地点が非公表のため訪問先を特定できません。
法水寺と若山農場は1泊2日で回れる距離。映画を観てから訪れると、景色の見え方がはっきり変わります。訪問前に各施設の最新情報を確認し、マナーを守って楽しんでください。
よくある質問
映画『キングダム 魂の決戦』はいつ公開ですか?
2026年7月17日(金)公開のシリーズ第5作です。原作屈指の人気エピソード「合従軍編」が描かれます。
『キングダム』はCGですか、実際のロケ撮影ですか?
CGだけに頼らず、実際のロケ撮影を軸にしているのがシリーズの特徴です。群馬・栃木・長野・中国浙江省など、国内外の実在の場所が使われています。
山口県のロケ地は実際に見学できますか?
公表されている撮影地点はなく、見学できるのは周辺エリアのみです。立ち寄れるのは山口きらら博記念公園(山口市)、きらら浜自然観察公園(山口市)、秋吉台(美祢市)の3か所で、いずれも撮影地としての公式発表はありません。
なお本記事のロケ地・料金・営業情報は、公表・報道されている範囲に基づく整理です。変動する可能性があるため、訪問前に各公式サイトでご確認ください。